【コラム】映画前売券(映画前売り券)の特典を金券ショップの立場で語る:妖怪ウォッチやラブライブ!など


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映画の前売り券にはある特徴があり、その特徴のゆえに非常に人気が高まっています。
その特徴とは、ズバリ特典がつくことに尽きるでしょう。

特典とは映画によってさまざまですが、主に“その映画のグッズ”や関連商品などがメインとなるようです。

たとえば、アニメ映画であればストラップやマグカップなどのおもちゃ、ディズニー映画であればキャラクターの携帯クリーナーやキーホルダーなどの小物など、特典はさまざまな形であらわれます。

この特典を手に入れるにはためには前売り券を正規で購入することが必要な場合がほとんです。正規で購入するとは、「映画館の劇場窓口で購入した前売り券を購入する」こととなり、コンビニや金券ショップで購入するものは対象とならない場合がほとんどです。

photo : Theo James – DSC_0138 1 by Red Carpet Report on Mingle Media TV

特典付き前売り券「妖怪ウォッチ」の騒動が話題になった件

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photo : ねとらぼ

「映画の前売り券」「特典」といえば、先着50万人限定で7月19日に発売され、徹夜で長蛇の列ができるほどの騒ぎとなった「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」の前売特典の騒動が記憶に新しいですね。

先着50万人限定ということで、ほとんどの子どもたちに特典がいきわたるだろうと高をくくっていた興業元からすると騒動となったことは思わぬ誤算だったでしょう。

実際に手に取ったのは50万人どころか1万人もいなかった、その理由は「買占めによる転売」だったという騒動ですね。

さらにそのあとお詫びとして施した「妖怪メダル フユニャン(G)」のプレゼントも買占めの対象となり、QRコードが同じで本気で対策する気があるのかと騒動をさらに発展させた原因となり話題になりました。

劇場版の応援イラスト&メッセージを募集し、作品を送ってくれた人から抽選10万人に「妖怪メダル フユニャン(G)」をプレゼントすることも発表した。前売特典のフユニャンメダルとは絵柄が異なるが、QRコードは同じという。

この「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」の前売特典をめぐっての「映画の前売り券」買占め騒動は特別ではありますが、意外とほしいものを用意する興業元が多いのも最近の傾向です。

前売り券の特典が高騰した「妖怪ウォッチ」以外の例もついでに・・・

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photo : 2013プロジェクトラブライブ!

「ラブライブ!」の前売特典が豪華すぎて、ファンは必ずおさえておかなければいけない“マストアイテム”としてヤフオク!で高騰した例も最近では特筆すべき点でしょうか。

ちなみに2015年5月現在で¥35,000前後で取引がされています。
こういう限定ものは古くなれば下がっていくどころかさらに高騰する可能性もありますので、可能性は未知数です。

こうなりますと、必死で並んでまで(並ばせてはいけませんよっ!)映画館で映画を見なくても、高画質のDVDやBlue-Ray(ブルーレイ)、さらにはホームシアターセットなども充実していることに加え、メディアや情報の迅速性も拍車をかけて映画館で映画を観てもらうことに必死といえると考えられます。

photo : Theo James – DSC_0138 1 by Red Carpet Report on Mingle Media TV

映画を映画館で見せようとする興業元の想い

でも、映画を映画館で楽しむということはとてもよいことで、2時間前後の時間で自分自身の人生に大きな刺激や感動をもたらすきっかけになることもあると思えば、とても経済的な娯楽だともいえましょう。

前売り特典騒動の経緯は当然興行元として把握しているでしょうが、前売券が大量に売れればそれだけでとても大きな宣伝になることや興行収入も最低限確保できるため、興行元にとっては嬉しいととらえる傾向もあるようです。

ただ、金券ショップのスタッフでわる私の一個人的な意見ではありますが、映画そのものを楽しみにして映画券(映画前売り券)を買うという楽しみがなくなってしまうのではないのかと危惧してしまうのが正直な気持ちです。

純粋に観たい人が映画を観て、あくまでその特典をおまけで受け取れるくらいの気持ちの方が、より映画を楽しめるのではないでしょうか。

しかし、興業元の想いも十分にわかります。
このあたりのバランスが金券ショップで映画前売り券を販売する私としても非常に複雑な部分もあるというのが正直なところですね。

しかし、1つ声を大にして言いたいこと。
それは、どちらにしても映画業界がもっと全体的により反映してより面白い刺激的なあるいは感動的な、ときには魅了するようなコンテンツを1つでも多く触れられる機会を提供していただけることを映画ファンとしては心より切に願うばかりです!